ドクトル・ルチャの19○○ぼやき旅

【第626回】観戦ツアーあるよ

月曜日と火曜日は「セレクトセール」があったので、忙しすぎてコラムを書くのを忘れてしまいました。なので、開き直ってゆっくり書きます。日曜日の新崎人生のトークショーは、アレナ闘道館での開催になってから最高の入りでした。満員御礼…新しい顔がかなり多かったけど、私としては、正直、昭和のファンたちに聞いてほしい内容だったんだよね。今回は予定していたところまで話が到達しなかったので、続編もやることになった。いつかは未定だけど、また闘道館やこのコラムで告知するのでお楽しみに…。

マスク姿と初のツーショット。
満員御礼。いっぱい入りました!

 今回のトークショーには私の息子の晴信(通称ハル)が来た。2009年の第1回以来、14年ぶりの来場だった。ハルは30年前のデビュー時からの新崎人生の大ファンで、子供の頃は夏休みに東北まで行ってみちのくプロレスを観戦。親父に連れられ特権で控室にもズカズカ入って行った。人生に近づきたいのだが、その直前でいつもデルフィンはからかわれていたなあ。大人になってからハルは、個人的に仙台に出かけて、「人生ラーメン」や人生が一時的に仙台市内で経営していた焼き鳥店にも足を運んでいる。ハルはなかなかのラーメン通で、先日もラーメン博物館へ人生と一緒に行ってラーメン談義に花を咲かせていた。

今春、ハルに誘われて四国八十八番巡礼の旅に出た。亡き妻、ハルにとっては母親を偲ぶ旅だった(私にとっては1996年以来のお遍路)。その時はまだノープランだったけど、人生を招いてのトークショーが出来たことは私だけでなく、ハルにとっても有意義な時間だったと思う。第1回から回を重ね、親父のショーが14年間どう進化したのか、どんなサポーターたちによってここまで支えられてきたのかを見せられたことが、私にとっては一番の収穫だったと思う。

一番嬉しかったのは父親でした。
大好きな人生と晴信のツーショット。

 さて、目をメキシコに転じる。今年でルチャ・リブレは90周年。私はこの節目の年のアニベルサリオを取材するために2017年以来のメキシコ行きを決めた(コロナがあったからねえ…)。アニベルサリオは一つのきっかけで、それ以外にやりたいことがいっぱいある。「行くよ」とメキシコに伝わると、いろんなレジェンドたちから「会うの楽しみにしているよ」「再開してハグするのが楽しみ」「空港に迎えに行くよ」「何処に泊まるんだ?」と連絡が入り出す。エル・サタニコ、イホ・デル・サント、トニー・サラサール、ビジャノ4&5号、エル・マテマティコ、ドス・カラス、エル・アルコン、ランボー、ソラール、ケンドー…。今でこそ、SNS等の通信手段があるが、一昔前、私がメキシコに行くことはなぜか事前に現地の選手の中に広まっていた。あれは不思議だった。現地に着いて誰か選手や関係者たちに会うと「トマスが来るのは知っていたよ」「来るのは聞いていたけど、何日に来るかを事前に知らせてくれれば空港に迎えに行ったのに」とか言われる。メキシコシティに住む人間にとって空港への送迎は友情の証のような行為なのだ。

写真は80周年。あれから10年経過…。

 以前にも一度書いたけど、1998年にメキシコへ行った時にカマチョ・ルイスという『ボクス・イ・ルチャ』誌の編集長に「何でキミがドクトル・ルチャなんだ?」と絡まれたことがある。初めて会う新参の編集長で、目付きの悪い無愛想におっさんだった。これは実力で退けるしかないと思った。後に編集部へ訪問した時は、知識力で彼を圧倒した。聞けば90年代に入ってからルチャの編集を始めた人らしい。私からすれば「なあんだ。見た目よりキャリアないじゃん」だよ。どおりで今まで見かけない顔だと思った。あれは2017年のアニベルサリオだったか…アレナ・メヒコの記者席に私が座っていると、カマチョに発見される。彼は遠くからニコニコ手を振ってその場を去る。暫くしてカマチョは自社のカメラマンを連れて戻ってきて記者席にいる私の写真を撮らせた。翌週の『ボクス・イ・ルチャ』誌には「日本からドクトル・ルチャのトマス・シミズが取材に来た」と記事が載っていた。私の完全勝利だ…。

 今回も「9月にトマスが来る」というニュースはアッと言う間に広がりそうだ。それにしても現地の著名プロカメラマンのゴンサロ・ロペスに至っては「空港に迎えに行くけど、その便は何番ゲート?帰りは何日?…帰りも送るよ」と気が早い。メヒコの到着ゲートなんて知らないよ。それに帰りのことなんて…まだ着いてもないのにさ。私はメールでこう返した。「ご厚意感謝。送迎の候補者がこの後も出そうなので、9月に入ってから決めます」と。

90年めには誰がマスクを取られるのか。

さて、今年のアニベルサリオは9月16日、独立記念日=祝日の土曜日(金曜以外の開催は1930年代以来か)。90周年記念に相応しいビッグなマスカラ・コントラ・マスカラが行われるだろうことが推測される。昨日、「闘道館」の泉館長を通じて「メキシコ観光」の方とお話する機会があった。チラリと耳にしていたが、同社でアニベルサリオの観戦ツアーをするという。そこでいろいろ話した結果、私がそのツアーのお手伝いをすることになった。現地のアテンド…いや、現地でルチャ関連のガイドをすることになる。私は取材があるから先乗りしていて、日本から来るツアー客を現地で迎える。期間中ガイドとして同行し、最後は現地でみんなを見送るという形になりそうだ。以前から「今度、ドクトルがメヒコに行く時に一緒に連れて行って下さいよ」と声を掛けてくれた方々…これはビッグチャンスだよ。ツアーは成田出発が9月14日午後で、19日早朝成田着…(連休中だから普段よりも休みが取りやすいかもね)。まだ時間があるから、私しか考えないようないろんな仕掛けやら、企画を考えてみたいと思う。これはレアな体験旅行になりそう…是非、ご参加ください。

観戦ツアー詳細

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