やっとパソコンがカムバックしました。といっても買い換えました。以前のノートPCは、中身こそ元気だったけど、落としてもぶつけてもいないのに、ちょうつがいが壊れるという外科手術が必要となった。メーカー(東芝)に送って修理に出すと、7万3千円という高額な見積もり。その上、部品の取り寄せもいつになるかわからないと言われ、修理を拒否する(怒)。このままでは仕事にならないので、泣く泣く新しいものに買い換えました。それも受注生産のPCだったので取り寄せやセットアップに時間がかかり、今日に至った次第……。この間、いろいろありました。カブキさんとのトークショーは満員御礼で、とっても楽しい時間を過ごすことができました。また、「当日、行きたくても行けないので、生配信とかしてもらえませんか」という声もあった。そこには応えられなかったけど、あの後、カブキさんに改めて同じ内容(1970~1972年米国武者修行)のロングインタビューをして、それを今月24日(水)発売の『Gスピリッツ』Vol.80に掲載することに……。そこで聞き出した話は、トークショーよりもさらに詳しい内容になっているので、楽しみにしてください。

さて、PC不在による突然の休み期間を利用して、私は越後の国に3泊4日の小旅行に行ってきました。新潟県に入るのは6年ぶり。「久しくパトロールを怠っていたな」って感じ……。今回、最初に訪れたのは柏崎。この辺は夕陽が奇麗なので、ちょっと調べて恋人岬という岬へ行ってみた。西伊豆にも同名の岬があって行ったことがあるけど、どっちも夕陽の名所。こちらは日本海に沈む夕日がとても美しい。

ここに限らずだが、南北に長い長い海岸線を持つ新潟県には夕日の名所が多い。そこで思い出したのが、馬場さんが描いた日本海に落ちる夕日の油絵。1997年に闘病中だった元子夫人の兄のために描いたもので、その2年後に馬場さん自身が亡くなっているので、これが遺作となった。これを描いた場所は、生まれ故郷の三条から最短の日本海……寺泊の海岸線だと言われている。師匠の竹内(宏介)さんが馬場さんを偲んで、この寺泊の海岸を訪れたこともあわせて思い出した(その模様は『週刊ゴング』の最終ページに掲載された)。

私は柏崎と燕で1泊ずつした後、馬場さんの故郷・三条へ寄る。まず「馬場跡」へ行く。馬場といっても三条競馬場の跡地である。日本一の大河・信濃川の河川敷を利用した三条競馬は、1928年に開場した1周1000mの小さなローカル競馬場であった。キラー・カーンが生まれたお隣の燕市と馬場さんの三条市……両市はもともと仲が悪いようだが、どちらも江戸時代から和釘作りが盛んで、転じてスプーンやフォークなどの洋食器の金属製造で発達した町である。そんな町の労働者たちのために、競馬場は最大の娯楽場だったようだ。競馬開催時に一度、行ってみたいと思っていたが、赤字経営のため2002年に閉場してしまった。現在、跡地には乗馬クラブと2棟の厩舎が、わずかな名残を感じさせてくれる。ドローンで上空から見ると、22年前のコース(馬場)跡が薄っすら見えてきて、思わず興奮する。

馬場をあとに馬場へ……。馬場さんの生家に行くのは2016年9月、『第6回ふく面ワールドリーグ戦』で新潟大会へ行く際、新崎人生と一緒にちらりと寄って以来、10年ぶり。場所は分かっていたけど、以前と建物(元は八百屋さん)の雰囲気が変わっていたためか、生家の前を3度も通り過ぎてしまった。市役所にお願いがある。ここに「三条市名誉市民 世界のジャイアント馬場の生家」という立て札を設置してほしい。

その後、三条市歴史民俗産業資料館へ行く。この辺は三条城があった場所で、市の中心部にあたる。館内で三条の歴史をしっかり学ぶ。ここの新館「ほまれあ」は一昨年にできたばかりの施設で、三条市生まれの偉人たちの展示物がメインとなる。当然のように馬場さんの展示コーナーが一番目立つ。中でも白いキャデラックが目を引く。親友のブルーノ・サンマルチノからプレゼントされたというキャデラック・エルドラドを馬場さんは愛し、車を買い替えるたびに同じ車種の同じ色を選んできたという。展示されているこの1台はハワイで使用した最後の愛車で、屋根が開閉可能なコンバーチブルタイプである。広いスペースが確保できるこの施設だからこそ保存・展示できるということだろう。それ以外にも、巨人軍時代のユニフォームとグローブ、グッチ製の革靴、PWFのチャンピオンベルト(レプリカ)などが展示されていた。三条を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってほしい場所である。


そして馬場さんのご両親やご兄弟が眠るという本成寺にも行ってみた。法華宗陣門派の総本山だけあって大きな寺院であった。ここで毎年節分に行われる鬼踊りは全国的に有名な行事で、正平少年も子供の頃に赤・黒・黄・緑・青の五色の鬼が退治される様子に心を動かされたに違いない。そして巨大化した正平は、プロレスのリングで冷血鬼、殺人鬼、銀髪鬼、暴走鬼、金髪の妖鬼らを退治することになる。東洋の巨人を生んだ三条の町……馬も居れば鬼も居る、なかなか面白い町である(次週に続く)。
