
先週末は忙しかったよ。土曜日昼、カブキさんのお店でのオークションは大盛況でした。お店の二階の特設会場にいっぱいのお客さん。約20点のオークション上場品以外に投げ売り状態の写真、パネル類…総数70点くらいあっただろうか。最高額はスタン・ハンセンのテンガロンハットが40万円。次がドリー・ファンク・ジュニアのジャンパー35万。その下がカブキさんの鎖帷子の頭巾が28万だったかなあ。売却率は90%を超えたヘルシーなマーケットでした。みんなカブキさんと奥様、そしてカブキさんのお店を愛して来た素晴らしいお客さんたちでした。長きにわたってお店を続けて来られたカブキさんファミリーには「ご苦労様でした」という労いの言葉を贈りたいです。私は常連じゃなかったけど、最後の部分で微力ながらお手伝いが出来て良かったと思いました。

その後は新木場へ移動。みちのくプロレスを観戦。エル・パンテーラ親子vsサングレ・アステカ親子の親子タッグ対決を観戦。これがなかなかいい試合だった。普通ならば手の合う息子vs息子、親vs親という絡みが軸になって展開するところを、親vs敵の息子、息子vs敵の親という組み合わせでスタートし、じっくりとジャーベとその返し技を見せる。最近のルチャはグラウンドレスリンがほとんどなく、スタンドと飛び技の応酬で構成されている。確かにグラウンドを割愛した展開はスピード感があって初心者には楽しいんだろうが、やはりプロレスもルチャも基本はレスリング=グラウンドである。それがあって初めてスタンドや飛び技に繋がるのが筋だ。このパンテーラ親子vsサングレ・アステカ親子の試合は、最後の最後、20分過ぎにやっとパンテーラ親子が飛んだだけ。それでいい。それで十分だと思った。余計な飛び技がないから、この親子の2発が光ったのだ。これぞ、クラシカルながらもリアルな、ルチャ・リブレのあるべき姿だと思った。素晴らしい親に育てられた息子たち…11月2日の岩手県営でのジュニア同士のカンペオナートが楽しみである。

日曜日は『闘道館』でのビバ・ラ・ルチャVol.58。前半は『ドクトル・ルチャと行くルチャ・リブレ・ツアー2025帰国報告会』。実際に今回ツアーに参加した12名のお客さんの中、11人が巣鴨まで来てくれて、いろんな感想を述べてくれた。中には四国や大阪からわざわざ来てくれたツアー客の方もいた。正味8日間、寝食を共にし、現地で苦楽を共に700キロの旅をしたのだから、絆も深まる…みんな戦友である。今回のツアーは、かなりハードだったけど、その分、満足感の高い内容だったと思う。この2025ツアーに関しては12月末発売のGスピリッツVol.78と3月発売のVol.79にて、改めて誌面にて報告をしようと思う。そこからお金と貯めてでも十分間に合う。来年9月末にまた新たな企画のツアーをやるので、メキシコ観光からの発信を注視していてほしい。来年はかなり競争率が高そうな気配がする。合言葉は「ドクトルと一緒にメヒコへ行こう。行けば分かるさ。そのすごさ」…。

そしてイベントの第2部にエル・パンテーラの登場。ここでケレタロへ行った時にパンテーラに発注しておいたドクトル・ルチャの新マスクが披露される。マスクの形も、デザインも一新した。今回は後頭部がチャック(あるいは紐)で開口、閉じるタイプではなく、パンテーラやレイ・ミステリオのような頭からスッポリ被り、喉で絞る(ホックで止める)タイプのものにした(なぜならば後頭部にもデザインを入れたいから)。そしてデザインに関しては、頬を疾走する馬の絵から“Dodgers”のロゴを文字って“Dr.Lucha”を入れてみた。額はLA(ロサンゼルス)ではなく、LL(ルチャ・リブレ)のロゴ。問題の後頭部には大谷翔平選手の「17」の背番号とTOMASの名。目は初めてマヤ(網)を掛けてみたが、どうであろう。

正直な話。ケレタロのパンテーラから製作過程の写真が送られてきてから、私が「ああだこうだ」とうるさく注文を入れていたら、急に写真が送られて来なくなった時期がある。そして出来上がって来たのがこれ…というわけ。ローリンだったら、日本人選手やマニアの細かい注文に慣れているのだが、パンテーラは、ここまでうるさく手直しさせる客は初めてだったようだ。ということで、みなさんの前でドジャースブルーと、白&青ツートンの計2枚をお披露目することになった。

パンテーラ自身、ベイスボウル(野球)にも、MLBにも興味がないようで、大谷さんも知らなかった。ケレタロの工房へ行った時にドジャースの写真資料を大量に持って行ったのに…最終的には本人の感覚で仕上げてしまったというわけ…。みなさん、出来映えはどうでしょうか。私の中では70点。だからもう一回、改良版を2枚発注しようと思っている。それらが出来上って納品されるのは3月頃になるかもね。それよりも現時点ではドジャースがワールドシリーズを連覇できるのかが気になって仕方ない。この新マスクを被って勝利を祈ることにしよう。
