24日(水)発売のGスピリッツVol.77の表紙とコンテンツが発表になったので、お伝えしたい。

[デビュー65周年記念特集]
アントニオ猪木
[証言‐日本プロレス編]
藤波辰爾
[証言‐新日本プロレス編1]
栗栖正伸
[証言‐新日本プロレス編2]
蝶野正洋
[証言‐猪木元気工場編]
猪木啓介
[追悼・グラン浜田]
新間寿恒【後編】
ザ・グレート・サスケ【後編】
[ベルト検証]
23歳のアントニオ猪木が巻いた
東京プロレス版USヘビー級ベルトは
いつ誰が何のために作ったのか?
[追悼座談会]
“過激な仕掛け人”を偲ぶ【後編】
清水勉×小林和朋×小佐野景浩
[連載]
第二次黄金時代の力道山
【第2回】予定より早まった馬場と猪木のデビュー
[アリーバ・メヒコ]
ドレル・ディクソン
ジャマイカ出身の“黒い弾丸”
その輝かしいスター街道を辿る
【前編】黒人初のNWA世界ヘビー級王者⁉
[原悦生の格闘写真美術館]
【第76回】「道場開き」

はい、今回の特集は“デビュー65周年記念”ということで、またまたアントニオ猪木。同じ日にデビューしているから馬場正平だって65周年なんだけどねえ…。小泉悦次氏の「予定より早まった馬場と猪木のデビュー」も気になるところだが、65年前の9月30日、私が3歳10ヵ月、あと2ヵ月後に4歳になるという時にBIはデビューしたわけか…。その日の台東体育館はメインが力道山vsリッキー・ワルドーのアジア・ヘビー級選手権があった。テレビは生中継。注目は断然こっちだろう。我が家にはまだテレビが無かったから、私の親父は毎週金曜日恒例の『長寿庵』(旧町名・白金台町にあった唯一の蕎麦屋)へ行ってテレビ観戦していたと思われる。試合は1-1から60分フルタイムのドロー(この試合結果には諸説あり)。当然、馬場も猪木もテレビには映ってないはず。たぶん親父もその存在すら知らなかったと思う。知っているとしたら元巨人軍の馬場正平か。ちなみにこの『長寿庵』は現在も営業しているのを先日確認した(お洒落な町へ変貌を続ける白金台にあって、なんと長寿の店なのか…感激)。さて、不思議なのは、この年の春から売り出されて大ブームになったタカラの「ダッコちゃん人形」(黒人の姿のビニール玩具)がプロレスラーとして?暴れている(=リッキー・ワルドー)ということを物心ついたか付かぬかの私がなぜ知っているのであろう。もしかしたらワルドーの2度目の来日(1961年12月~62年4月)の記憶か、それとも後付けの知識か…(ダッコちゃんは親戚の家にあった)。親父とプロレス好きの祖母の会話もそうだが、近所のかなり年上のお兄さんたちが何かわからんけど、しきりにプロレスの話で盛り上がっているのを、幼稚園児の頃から私は無意識に吸収していたのかもしれない。

そのワルドーの再来日の翌週に初来日した黒人がルター・レンジ(ルーサー・リンゼイ)で、力道山&豊登からアジア・タッグを奪取して判定を不服としたファンが暴動を起こす事件があった(62年2月3日=日大講堂)。そのレンジが帰国後にオレゴン地区で出会ったのが、“ジャマイカの黒い弾丸”ドリー・ディクソン(Dory Dixon)である。この時、レンジ&ディクソンはパシフィック・ノースウエスト・タッグ王座に就いている。今回の「アリーバ・ルチャ」の主人公はそのドレル・ディクソン(Dorrel Dixon)に登場願った。1934年生まれなので本年91歳(馬場さんが生きていれば87歳、猪木さんは82歳)。ディクソンのデビューが1955年だから、こちらはもっとめでたい「デビュー70周年記念」だ。その上、今なお心身ともにご健在である。「お元気ですよーっ。元気があれば、90過ぎても話は聞ける」。インタビューは昨年9月にプエブラのご自宅でスタートし、その後も連絡を取り合っている。

近いところでは、元メキシコ・ナショナル・ライト級王者のロドルフォ・ルイスが7日、メキシコシティにおいて86歳で亡くなった。彼のデビューは1962年。ジャーベの開祖で柔術家のゴンサロ・アベンダーニョを師とするEMLL王道の生き残りだった。65年にチャノック、79年にエル・タリスマンを破ってナショナル・ライト級王座に2度就いた軽量級ルードで、引退後はレフェリーとして活躍。またコーチとしてアベンダーニョ直系のルチャを後進に伝える。実兄は64年にナショナル・ウェルター級王者になったリサド・ルイス(死去)で、NWAとCMLL世界ミドル級王者のアベルノは実の息子である。

ロドルフォは1939年3月13日サカテカス生まれで、マスカラスは同年7月1日サンルイス・ポトシ生まれ(42年ではなく39年、15日ではなく1日が正解)。つまり、ロドルフォの死により、恐らく“メキシコ人最高齢ルチャドールOB”は仮面貴族になったのではないかと思われる(9月のメキシコツアーでお会いするのが楽しみだ)。そのマスカラスよりも5歳年上で、9年早くプロデビューしているセニョール・ディクソンの90越えの生々しい肉声と波乱万丈のライフストーリー…是非、読んでください。来週も次号のGスピの中身について触れたいと思う。