ドクトル・ルチャの19○○ぼやき旅

【第595回】其徐如林

この写真、好きです。

 土曜日のイベントは新間さんの突然のドクターストップというハプニングにより、内容を変更して「ゴング少年探偵団」(清水勉・小林和朋・小佐野景浩)だけでのトークライヴとなった。それで内容はどうだったの…。私の場合は“それは来てくれた方たちだけのもの…”として、イベント後に何があったとか結果を書かないようにしてきた。けれど、今回(前回も)は小林くんが自分のブログで詳細に書いてくれているので、これを読んでみてください。とても良いレポートです。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid0263cnS8wB9ym4n4NgPZtpqANACKEdQ8L6aM3V6gRTCsYjMyhTmWcCzfvFsTex4LL6l&id=100001986134073

笑顔がいいね。

 出会ってから40年数年経った今も、こうして3人が揃えば、ファンクラブやゴング編集部時代の話を昨日のことのように語れる…そのことの喜びを強く感じたイベントでした。みんなピュアで、真剣で、また楽しく過ごした「我らが青春」。それを今回みなさんに少しでも伝えられたのでは、と思う次第です。お客さんたちとの意見交換の場もあったし、私自身、考えさせられることの多いイベントだったかな。今回の話はまだ氷山の一角…我々はまだまだいくらでもネタを持っているわけで、また、ゴングの同窓会の気分で闘道館に集まっていろんな話を喋れたらいいなと思う。パート2は、いつかやりましょう。

みんないい笑顔だ。

 イベントの翌日、新間さんにお電話したら「そうか、盛況だったのか。良かった、良かった。少年探偵団ならば、ちゃんとやってくれると思っていたよ。お前たちと約束した1対3ができるように、俺も早く元気にならないとな…」とおっしゃっていた。「はい。おとうさんも焦らず、ゆっくりと」とお伝えする。実父を亡くした私にとって、「おとうさん」と口に出して言えるのは、この世で新間さんだけだ。それは竹内さんが「新間のおとうさん」とか「おとうさん」とずっと呼んでいたのを真似して、私もそう呼ばしてもらっていただけ…。「お前になんかに、おとうさんと呼ばれる筋合いはない」なんてよくあるセリフは決して返って来ない。「おとうさん」と呼ぶと、新間さんはいつもニコニコしてくれる。そう、新間のおとうさんには、一日も早く元気になってほしいと願うばかりである。

 さて、18日(金)には『燃える闘魂 アントニオ猪木』(Gスピリッツ・アーカイブスVol.3)という猪木さん追悼増刊が辰巳出版から出ます。土曜日のイベントでは表紙だけを先行公開した。その少し前にお客さんから「もし今、猪木さんの増刊を作るとしたら、みなさんならば、どんな表紙にしますか」という質問があった。小林くんも小佐野くんも、それぞれの意見を述べていた。私は「新日本の70年代の写真がいいと思う。ただ激しさは今までのゴング増刊の表紙で出してきたので、亡くなったのだから何処か少し哀愁のあるような感じのものが…」と答えている。それはこの表紙が校了になっているのを知っていたから出た言葉だった…。確かにNWFのベルトを締めて凛々しい雰囲気だが、ちょっと憂いのある表情にも見える。「其徐如林」…孫子の兵法・軍争編(風林火山)の「静かなること林の如し」の一節にあたるような佇まい…まさに戦いの前の「静」の瞬間を捉えたショットである。イベントの場で、「では、この表紙の写真はいつ、何処で、誰とやった試合のものでしょうかね」とみなさんに投げかけた。ヒントになるようなものはほとんど無い写真である。そうした中から選ばれた一枚だった。イベント後にある方に「あれは〇〇〇戦のときの猪木さんですよね」と言われた。正解である。あれだけでズバリ言い当てるとは、真のアントニオ猪木信者の猪木愛に脱帽した(答えは発売後に…)。

この表紙が目印です。

 さて、この本で私は新間氏と佐山さん(初代タイガーマスク)の対談を取材した。収録は10月21日の帝国ホテル。新間さんはアントニオ猪木への熱い思いを語ってくれたし、佐山さんの師匠への愛も溢れて、話が弾んだ。是非、読んで頂きたい(この本のコンテンツはGスピリッツの公式サイトにて)。

そして12月末日発売予定の『GスピリッツVo.66』も、隠すことなしで特集はアントニオ猪木です。ここではゴング少年探偵団の我々が三者対談をして、超ディープな猪木さんの話を展開したいと思っている(収録は来週予定)。「アントニオ猪木の死」というバニシングポイント(遠近法の消失点)…そこには櫻井さんも竹内さんも到達できなかった。だからこそ今、残された我々が「G(ゴング)の魂(スピリッツ)」を発揮する時である。Vo.66ではその他、今までのGスピ内で語られていない、あるいは何処にも書かれていなかったアントニオ猪木企画をGの流儀で満載する予定です。お楽しみに。

-ドクトル・ルチャの19○○ぼやき旅