ドクトル・ルチャの19○○ぼやき旅

【第755回】世界遺産ツアー

先週お伝えしたようにカブキさんのトークショーが決定した。トークのメインテーマはザ・グレート・カブキたる原点、1970年秋から2年間にわたる海外武者修行時代。ロサンゼルスを皮切りにザ・シークが仕切るデトロイト地区での修行…ここで「ヨシノ・サト」に変身してどんな体験をしたのか、どんなスター選手たちと戦い、アメリカマットにのめり込んでいったのかをご自身の貴重な証言とともに考察したいと思う。カブキさんはインディアナポリスに居を構え、デトロイトだけでなくオハイオ全域、さらにカナダのトロント、NWAの本拠地セントルイス、発足間もないNWFエリアのクリーブランド、ピッツバーグ、バッファローにまで足を伸ばして戦っていた。故に毛色の違う選手たちと戦う機会に恵まれたのだ。さらにはシーク派とブルーザー派によるデトロイト興行戦争にも巻き込まれる。ドリーがNWA世界王者だった時代…そのテリトリー制の大きなうねりの中、「ヨシノ・サト」が何をアメリカンプロレスに観て、どのようにアメリカマットに惹かれていったのかをじっくりお聞きしたい。

五大湖地区でヒール修行を始めたヨシノ・サト


さて、私絡みのイベントでもう一つの決定事項がある。毎年9月恒例になった「ドクトル・ルチャ監修! ルチャ・リブレ・ツアー」(メキシコ観光)である。日程に関してはGスピリッツVol.79で発表したように9月18日~25日。今年は19~23日までの大きな連休もあるので、早々に動いた。そして今回のツアー行程もほぼ決定した。到着初日(18日)の夜はアレナ・メヒコ。うまく当たれば年間最大のビッグショー「アニベルサリオ」の可能性がある。CMLLは創立93年を迎える。その記念日にどんなビッグカードが組まれるか。通例ならば9月第3週金曜日開催…今年はその通りに行われるだろうか。7:3で当たると思うのだが…。

こんな感じでチラシも完成しました。

この日は朝早くメキシコシティへ到着するので、チェックインまで時間がたっぷりある。だから日本にゆかりのあるルチャドールの自宅かマスク職人の工房を訪問しようかなと思う(参加者の方で希望があれば聞く耳持ちます…)。翌19日は夜にアレナ・コリセオの興行がある。アレナ・メヒコが1956年開場ならば、コリセオは1943年竣工の世界最古のアレナ…ここに入れるだけで価値がある。そして下町なので客の乗りがいい。一昨年のツアーでは「コリセオの雰囲気とお客の興奮度が一番でした。最高!」との感想。ここでの外しはまずない。この日の昼間の予定は未定だが、レジェンドたちを集めたマスク即売イベントが毎年アニベルサリオ翌日に行われているので、今年も開催されていればそこへ行きましょう。決定次第報告します。土曜日はソラールの店でもゲストを呼んでサイン会をやっているしね。18日と19日に関しては参加者で希望の行きたい場所があれば承ります。そこは臨機応変に企画を差し込んでいこうかと思います。

オアハカならではのカラフルな町並み。

さて、ここまでは通年通りで、翌20日からが今回ツアーのオリジナル。朝の飛行機でオアハカ州オアハカへ飛ぶ。ルチャ的に言えばエル・シグノ、エル・エヒプシオの故郷なのだが、一般的には「死者の日」の舞台となる町で、メキシコ屈指の人気観光地である。サポテカ、ミステカなど多くの先住民族が住む町で、歴史地区は世界遺産。と言う私もオアハカへ行くのは初めて…。ルチャばかり取材してきたので、こういう遠方の観光で有名な町に行く機会がなかったからだ。今までのツアーはルチャ漬けの日々で、観光の絶対的な定番であるソカロ広場やテオティワカンのピラミッド、ソチミルコの水郷すら行っていない。でも、昨年、チラリと世界遺産のグアナファトへ寄ったら「綺麗」「すごい」と大受けした。さらにサンルイスポトシとグアダラハラの朝には世界遺産のセントロ(メインの教会がある街の中心となるエリア)の散策もツアー客の皆さんに大好評だった。「ルチャもいいけど、ちゃんと観光地も入れないといかん」と、私は反省する。

市内最大のサント・ドミンゴ教会。

そこで今回考えたのがオアハカ行きだった。それも私がいまだに行ったことのない、最も行きたい場所の一つである。昨年のツアーバスの運転手のフランシスコに「あなたが今まで行った観光地で一番の場所はどこ?」と質問した。彼は即座に「オアハカだね」と言った。何十年もバスを運転してメキシコ中を走り回ってきた彼が言うのだから間違いない。今回はオアハカ空港には専用バスが待っていて、それに乗って行動する。アルカラ通り、サントドミンゴ教会、ソチミルコ地区、ハラトラコ地区、トゥーレの木、アバストス市場など行ってみたい所はいっぱいある。

サント・ドミンゴとソカロを結ぶアルカラ通り。

でも、私的にはピラミッドめぐりをしたい。オアハカ周辺にはミトラ、ヤグール、モンテ・アルバンなどの古代遺跡がある。幾何学模様が美しいミトラ遺跡には20日に行こうと思う。もっとどっぷり観光をしたいが、実はこの町にもルチャがある。この日は日曜日なのでオアハカで興行をやっているはず。CMLLから少し援軍は来る時もあるが、大半が地元勢。こうしたローカルの興行を観られる機会は滅多にないので、もし観られればラッキーである。グルメではオアハカ特有のモーレとチーズは有名で、世界無形文化遺産の海鮮石焼スープなどを食べられればと思う。

サポテコ文明の中心地モンテ・アルバン遺跡。

翌21日は専用バスで世界遺産のモンテ・アルバン遺跡を見学した後、北上してプエブラへ向かう。今回も日本ではあり得ない山岳地帯や荒野を延々と走ることになる。その夜はアレナ・プエブラでCMLL主催興行を観戦する。ここも1953年開場と古いアレナだ。ここでは幾多の名勝負が行われ、日本人選手たちの大半もこのアレナで戦ってきた。圧迫感のあって、とても味のある観やすいアレナだ。試合前には伝説のマスク職人“プエブラ製”で有名なアレハンドロ・ロドリゲスの息子ゴンサロの店に顔を出そう。ホテル近くの歴史地区は世界遺産で見どころいっぱいなので、翌朝にはお散歩したい。個人的にはドレル・ディクソンさんの自宅へ寄って、ちょっとでもいいのでご挨拶したいところだ。

92歳のデンクソン翁は元気かなあ。

この21日は今のところ2つの選択肢がある。パチューカ市のアレナ・アフィシオンで興行がやっていればそこへ行くが、なければメキシコシティへ戻る。その場合は急いで帰らず、プエブラでゆっくり時間を過ごすことができそうだ。この日は火曜日だからアレナ・メヒコでCMLL興行がある。「もうルチャ観戦はいいよ」と言う人がいれば、オプションで美味しい店へ行ってメキシカンディナーを楽しむのもいいかも…。誰かゲストを呼んでもいいかなとも思う。でも、パチューカで興行がやっているならばプエブラからパチューカへ移動することになる。もし時間があれば同じイダルゴ州のトゥランシンゴへ寄りたい。ここはエル・サントの出身地で、サントの銅像(メキシコシティの銅像とは違う)、エル・サント通り、そしてサント博物館もあるようなので行ってみたいなと思う。アレナ・アフィシオンは1943年が初興行の歴史あるアレナ。もともとトゥランシンゴ出身のフランシスコ・フローレスがプロモートしていたアレナ。75年に独立してUWAが旗揚げしてからも代表として自ら毎週火曜日に出向いて優良メンバーで興行を打った主要会場だ。故にロビーに額装された過去のプログラムやエストレーシャたちの写真は見応えがある。もちろん、古い味のある固定椅子や会場そのものもチェックポイントである。パチューカへ行った日は試合後にメキシコシティへ戻る(ルチャドールたちと同じような気分で深夜着)。

アレナ・アフィシオンのエントランス。

22日は帰国の日だ。飛行機は夜の便なので、昼間は丸々空いている。帰国に備えて買い物をする日に充てたい。でも、隙あらばスペシャルゲストを呼ぶなり、どこかの家にお邪魔するなど企画ものを放り込むことも可能な日である。出発まで、まだ5ヵ月もあるので、現地の様子を見ながら、それに合わせてフレキシブルに肉付けしていこうと思う。現在、出せる基本的なツアー行程はこんなところであろうか…。試合もたくさん観られるし、世界遺産の観光もいっぱいできるという、過去にない二刀流のツアーに仕上げたつもりです。メキシコ観光では、もう受付を開始しており、すでに初参加の方が数名申し込みを完了しているとのこと。定員が埋まり次第締め切るので、まだ時間があるけど油断せず、申し込みはお早めに。再度言うけど、9月には大型連休があるので、そこをうまく利用してぜひ…一緒にオアハカへ行きましょう。

-ドクトル・ルチャの19○○ぼやき旅