1週間書くのを休んだら、いろいろあって書くことがたくさん溜まってしまった。さあ、何から書こうか…。そう、前回、外房へ行く話を書いたけど、その理由から書くことにしたい。6月22日に一泊して千葉県の御宿へ行った。なぜ、御宿かというと、そこはメキシコ人が最初に日本へやって来た土地だからである。別に来たくて来たわけではない。今から415年前の1609年9月30日、マニラからアカプルコに向かうフィリピン総督ドン・ロドリゴの指揮する旗艦サンフランシスコ号が御宿沖で座礁し、メキシコ人とスペインン人56名が死亡、317名が地元民に救出され、手厚い看護を受けたのである。
領主である大多喜藩の本多忠朝は救援物資を現地に送りロドリゴら難民たちを手厚く保護し、彼らを漁村に分宿。時は将軍徳川秀忠の時代だったが、大御所の家康は翌年彼らを母国に送り返したのである。メキシコ人とスペイン人たちはこの時に受けた恩を忘れず、感謝の念から文化交流は続く。昭和初期に友好のシンボルの塔が完成、毎年、御宿では友好のお祭りが開催されている。御宿町と大多喜町はアカプルコ、クエルナバカと姉妹都市となり、1978年に来訪したホセ・ロペス・ポルティージョ大統領の名前を冠したロペス通りや総督の名をとったロドリゴ駅伝もあり、名産のイセエビとコラボした「エビアミーゴ」というゆるキャラまでいる。ここは東京から一番近い「メヒコ」であった。なぜ、ここへ行ったかというと、24日に大阪府枚方市の関西外語大学で行われた講義(日本とメキシコ交流史、ルチャ・リブレ誕生と日本人との関わり…)の取材のためであった。百聞は一見に如かず…私は机上の知識ではなく、現場を見なければ気が済まない主義。「噛ませ犬事件」「顔面襲撃事件」他、新日本で発生したあらゆる暴動事件も“すべて現場にいた!”。幾多の名勝負も現場で観た。例えライヴで接することが叶わなくても、著名な事件や名勝負のあった体育館をほとんど自分の足で見て回り、現場を肌で感じる取材もしてきた。だから、今回もサンフランシスコ号の座礁事件と日墨友好の発祥の経緯を、知ったかぶって語るのではなく、まず現場へ行って体感したかったのだ。
お陰様で24日の講義は実に有意義なものでした。関西外語大学の教授のみなさん、同校の卒業生でメヒコにおいてルチャドールになった晴斗希選手(現・道頓堀プロレス)とルチャドーラを目指す在校生の別府芽生さん…楽しい時間をありがとうございました。お陰様で戦国期の日本人奴隷の話から叙勲したミル・マスカラスまで…430年分の話を気持ちよく話させてもらいました。関西外語大学のキャンパスはアメリカの大学に迷い込んだような錯覚に陥るほど広くて美しかった。1万人近い在校生がいて、語学を武器にした職業を目指そうとする意欲を感じ取った。そんな大学の立派なホールでこういう時間を持てたことに感謝!です。
翌日、天下人・三好長慶の芥川山城(高槻市)を17年ぶりに登ってから帰京。するとGスピリッツVol.72が自宅に届いていた。みなさん、もう読んでいただけただろうか。私もまだペラペラとしか見ていない。まあ、ゆっくり、じっくり楽しんでください。面白いと思ったことがあったら、ご意見をお聞かせくださいね。さて、一昨日(7月1日)は「GLEAT」を観るために東京トーム・シティホールへ行ってきた。一番はカズ・ハヤシの引退試合を観るためだが、ここと提携するために来日したドリアン・ロルダン・ペーニャ(AAAの最高責任者=CEO)に会うためでもあった。ドリアンはアントニオ・ペーニャ初代代表の甥っ子で、彼がまだ大学生だった時からの顔見知りだ。
この日は懐かしいケンドー・カシンやCIMA、中嶋勝彦とも再会できた。だぶん、みんな17年ぶりくらいかも…。覆面に被っているカシンはともかく、CIMAや勝彦もいいオヤジになっていた。CIMAはメヒコで最初に会った時は19歳だよ…それが46になっていた。そう、CIMAとは一緒に『トリプレマニア13』でグアダラハラに行ったなあ。勝彦は私を見てびっくり。「清水さんが最初に会ったプロレスマスコですよ。サイパンでしたよね。僕はまだあの時、14歳でしたよ」だって。私はジジイだと思ったよ…。そしてカズに至って武藤の時のようにデビュー戦から引退試合まで、丸々32年間全部見てしまった。いつまでも若い、若いと思っていた彼らも年輪を重ねて壮年期に入って、リングを降りる者まで出て来た。まずはカズにお疲れ様と言いたい。
最後に2つお伝えしておきたい情報。その一つは、7月6日(土)、午後8時、Eテレ(NHK教育テレビ)の『沼にハマってきていみた』という番組に「れんたろう君」というマスクにハマった少年が出てくるが、これは私の知人の息子。私も少しだけ番組に協力しているので、どんな形で出るのか、出ないのか、チェックしてみてください。そしてもう一つは「メキシコ観光」による『ドクトル・ルチャと行くメキシコルチャリブレツアー』(8月15日~21日)のが決定しました。かつてない超マニアックなツアーになりそう。この夏、非日常の異世界へ行こうよ。きっと世界観が変わります!!
詳細は03-5811-1791 (担当:伊藤)
E-mail: pasela_tyopasela.mexcokanko.co.jp
ああ、そうそう。7月1日はミル・マスカラスのお誕生日。「アロンさん、おめでとう」と言ったら、「ハハハハッ、トマスに1歳あげるよ」だって。「そんなものいらんわい!それよりも勲章見せてよ」。8月のメヒコで会えるといいんだけどなあ。