ドクトル・ルチャの19○○ぼやき旅

【第601回】来春、アラーの予告

表紙はロビンソン戦の卍固め。

 本日はGスピリッツVol.66の発売日。アントニオ猪木の特集を堪能して頂けているだろうか。前回のトークショーの時にチラリと予告したけど、私と小林和朋くん、小佐野景浩くんのゴング残党による三者三様のロング座談会を敢行した。『「猪木プロレス」の本質は“若獅子”か、“燃える闘魂”か?』というテーマでファン時代とマスコミの双方の視線を交えながらトークバトルを展開している。そして各自が好きな猪木表紙、思い出の猪木特集のゴングを持ち寄り、最後には私的なアントニオ猪木のベストバウトを挙げている。66になった年長の私は「アラカン」の上、「Around70(アラセブ?)」を代表者としてのアントニオ猪木論を展開した。今や絶滅危惧世代の私たちは、「あの時」こんな感覚でプロレスを観ていて、そしてアントニオ猪木を観ていたということを特にアラフィフやアラカンの猪木ファンの人たちに少しだけわかっていただければ、と思う(私に同調してくれる甦れアラセブの同期や先輩たちを歓迎します)。

 さて、先週お伝えした猪木啓介さんと大塚直樹さんの対談もそうだが、北沢幹之さんのインタビューも私が担当している。昨年、Vol.61の特集『日本プロレス時代の“猪木”』をやった時に北沢さんは心筋梗塞で入院されていて、コロナで面会謝絶だったために取材できなかった。今回は改めて入門当時から渡米までの1961~1964の兄弟子・猪木寛至をじっくり語って貰っている。「力道山一家の若頭・アントニオ猪木」をテーマに若手時代の猪木さんを回顧してくれた。「プロレスラー猪木」を形成するための大事な数年を語れるのは、もう北沢さんしか残っていない。北沢さんは今やいろんなイベントに引っ張りだこ。「私なんかが、もったいないことですよ…でも、みなさんが声をこうして掛けてくださる…本当にありがたいことです。最後まで猪木さんに感謝していますよ」とあくまで謙虚。猪木先輩を慕い、あの時代を共にした一つ年上の後輩…故に北沢さんの証言は超貴重だ。北沢さんに新日本の話を振っても、自然と日本プロレス時代、それも東プロ以前の若手時代の話へ針が飛んでしまう。御年80の北沢さんにとって新日本よりも、東京プロレスよりも、若手時代の日本プロレスが一番印象深く、記憶が鮮明であることがわかる。

「猪木さんは力道山先生みたいに人を殴ったりしないですけど、私は2度だけ猪木さんに殴られましたよ。1回は会場からタクシーで帰る時に猪木さんが“おい、北沢、乗れ”って。“いえ、僕は…”と躊躇ったら殴られました。まだ会場でやり残した仕事があったからです。あと1回は忘れました(苦笑)。でも、ちゃんと理由があるんですよ。力道山先生みたいに意味もなく殴ったりしませんよ。そういう理不尽な事をすると自分に返ってくるものですよ」

北沢さんとのツーショット。

 私は今日未明、関西の旅を切り上げて急遽帰京して、これを慌てて書いている。横浜を出発したのは11日の夜中だった。その時点でのワールドカップのベスト4は…クロアチアvs アルゼンチン(ミルコ・クロコップvsアントニオ・ロッカ)、フランスvsモロッコ(アンドレvs???)。準決勝は兵庫県加西市のホテルで観た。結果、アントニオ・ロッカvsアンドレという好カードの決勝に…。私の予想は大外れだった。フランスは当たっても、アルゼンチンは最初から切り落としていたからね。「エリオ(アミーゴのコロソ・コロセッティ)、ごめんなさい」。決勝戦は和歌山県の湯浅町のホテルで朝まで観ていた。応援していたのはアンヘンティーナだったよ。フランス人のアミーゴはいないからね。すごい試合だった。1974年の西ドイツ大会からずっと決勝戦を生で観て来たけど、これほどの「死闘」は観たことない。素晴らしかった。良かったね、おめでとう、エリオ(メールを入れる…)。それと井上尚弥は強かった!それも加西で観た。彼は最強だ(今、世界に誇れる日本人は井上尚弥と大谷翔平の2人だけです)。

私の心は週末の有馬記念…そして、来年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に飛んでいる。アメリカが5大会めにして初めて本気のチームを送り込んでくるから面白くなりそうだ。日本代表にはダルビッシュ、鈴木誠也、大谷サンが出る(サッカーもそうだが、やはり海外組が必要。それもガイジンを唖然とさせる結果を残した選手でないと駄目)。だから今度のWBC、超楽しみである。いや、その前に自分のイベントをこなさないとね。2023年最初のイベントは『第3回チャンピオンベルト・カーニバル』。1月29日(日)午後1時『闘道館』にて開催が決定。

 今回のメインエベンターは「シークベルト」と呼ばれるデトロイト版のUSヘビー級選手権のチャンピオンベルト。70年代初期から80年代にかけて全米マットを席巻したニキタ・マルコビッチ製の代表作で、シークの代名詞ともいえる超貴重なアイテムだ。セミはNWA世界ミドル級のベルト…名匠マヌエル・サバラが手掛けた、あのヘビー級に続くレイスモデルの2作目だ。これ以外にもイグナシオ・キンタナ製のエル・ソリタリオのUWA世界ライトヘビー級、ブラックマンのUWA世界ライト級、ソラールのUWA世界ウェルター級のベルトも登場する(この3本はイベント後に闘道館にて同時発売予定)。すでにチケットは闘道館にて販売されています。みなさん、新年から“アラビアの怪人”に変身しよう!

 ということで、今年のこのコラムはこれにて終了。次回は2023年1月11日(水)から…。それでは、みなさん、メリークリスマス&良いお年を!

我が家は喪中です…。

-ドクトル・ルチャの19○○ぼやき旅