ドクトル・ルチャの19○○ぼやき旅

ESSEIワールド(2)

先週の土曜日は高円寺の『お宝バトルロイヤル』(フルスイング主催)の解説者ということで、久々に流智美氏と共演…力道山&日本プロレス時代の貴重なグッズの解説と鑑定をしてきました。スペシャルゲストの百田光雄氏もお元気そうで、偉大な父・力道山のいろんな裏話を聞けたのは、とても勉強になった。数多く出品された力道山のサインの本物か否かの見方などは我々の出来ることではなく、なるほどと感心すること仕切り。それにしても、これほど多くのお宝を集めた主催者には拍手を送りたい。ご年配の方だけでなく、力道山を生で観られてないような世代の方がこういうお宝を大事に所持されていることにも感心。また、こういうお宝大会があれば参加させてもらいたいなと思いました。利根川代表、お疲れさまでした。

百田光雄氏、流智美氏と。

さて、今週土曜日は私主催のトークショー『VIVA LA LUCHA Vol.52 アントニオ猪木を追ったカメラマン 原悦生 海外㊙特写&秘話』の出番です。かつて私はミル・マスカラスのファンクラブの会長をしていたことからゴングの竹内宏介編集長に目を掛けられたり、全日本の選手、関係者たちと親交が持てのは、すでに何度も書いてきたこと。そういう縁でゴングに入る前の時点で新間寿さんとも接点を持つことが出来た。でも、原さんは最初からカメラをぶる下げた一匹狼であった。原さんが新日本のリングサイドでの撮影が許可されたのは1977年10月25日、日本武道館での猪木vsチャック・ウェップナーの異種格闘技戦からだという。まだ、大学生で新日本プロレスのファンクラブにも属さない個人がなぜリングサイドで撮影できるに至ったのか、そこからどうやって新日本プロレスやテレビ朝日の関係者たち、そしてアントニオ猪木と親しくなっていくのか、今回のトークではその辺の話も聞き出したい。

原さんが初のリングサイド撮影。

87年に私たち夫婦は原さんの結婚式に招待されている(原さんとは仕事以外にゴルフ仲間だった)。披露宴には何と主賓としてアントニオ猪木が出席!「原くん、ご結婚おめでとう」と挨拶。リングサイド撮影が許されて10年…あの時、大学生だった彼の結婚式に猪木さんが来るようなったって、すごくない!? 原さんがフリーカメラマンになったのはその前年であった(ちなみに84年の私の結婚式はパク・チュー=木村健吾でした…)。私の妻など興奮して主賓席へ行って猪木さんにサインを貰って写真まで撮らせてもらった(猪木さんは終始笑顔でした)。私たちの円卓のメンバーもすごかった。84年ロス五輪のアマレス57キロ金メダリストの富山英明選手、私たちの隣は映画『砂の器』、『黒い雨』など多くの名作を撮影した川又昂氏(どちらも原さんと同郷の茨城出身)。それはそれで緊張する顔ぶれでした。原さんが美しい写真を撮るのは動画との違いがあるとはいえ大先輩である川又カメラマンの影響があったからであろうか…。

エクトール・バレロ・メレ編集長。

私が81年に2度目メキシコへ行った最大の目的はメキシコのプロレスの歴史を調べるためである。各階級の世界タイトル、ナショナル・タイトルの王座変遷と歴代チャンピオンたちのベルト付ポーズ写真、プロフィールを入手することが自分に課した使命で、それを叶えてくれる人物に目星を付けてメキシコへ向かった。その人物とは週刊『エル・アルコン』誌のエクトール・バレロ・メレ編集長。この人が一番、ルチャの歴史に最も詳しく、大の記録マニアであったからだ(私より20くらい年上か)。私はソリタリオと一緒にトルーカにあるバレロの事務所へ行って多くの資料と写真を貰い受け、いろんな話を聞いた。翌年にはバレロのアカプルコの別荘とトルーカの自宅へ押しかけて泊まりがけで彼からの知識を吸い取った。それが今日のドクトル・ルチャたる基礎となっている。バレロは私のメキシコ版竹内宏介=マエストロである。そのバレロとの縁が原さんにも繋がる。

アルコンの姉妹誌の表紙の写真も。

原さんは82年から85年までバレロに日本のプロレスの写真を送り続ける。それらがバレロが手掛けていた『エル・アルコン』と『コンバテス・デ・ルチャ・リブレ』誌の2つの週刊誌に毎週のように写真が掲載され、グラビアが組まれていた。日本のファンは知らないであろうが、原さんのお陰で日本のプロレス事情が遠いメキシコにしっかり伝えられていたのだ。逆にメキシコ人ファンたちは原さんの撮った日本のプロレス写真を見て何を思ったのだろうか。同誌の愛読者だったスーパーマニアのクリスチャン・シメット少年(現・弁護士)は「日本で戦うメキシコ選手たちはもちろんだけど、イノキ、フヒナミ、タイガーマスクの日本でのファイト写真に心を踊らされた。日本へ行って生で彼らを観たいって思ったよ」と語る。それは我々が60~70年代のゴングを見て、憧れのアメリカマットや未知のメキシコマットのグラビアに興奮したのと同じ心境かもしれない。同誌の最優秀外国人カメラマン賞を受賞したESSEI HARA通信員の知られざる成果も今回のイベントではたっぷりご覧いただこうと思う。

メキシコでも舌出し事件が報道された。

また、もう一つは私とは違うラインでのミル・マスカラスとの繋がりも大事なポイントかもしれない。今回、原さんには猪木から藤波、サント、マスカラスなど、たくさんの写真をセレクトしてもらった。私も知らない、へーっナニコレって写真もいっぱいある。私も当日までに原さんの知らない関連写真をいろいろ用意しようと思っている。原さんのトークはとても興味津々なことばかり。その上、貴重な写真がたくさん見られるのは極上の幸せである。ご来場の方に抽選で当たる写真も原さんが用意してくれるとか…。トークとフォトでダブルに楽しめるイベイトはいよいよエスタ・サバド=今週の土曜日です。みなさん、お待ちしています。

-ドクトル・ルチャの19○○ぼやき旅